いろいろ足りない

不足分を補いたい

スタートアップのあれ

少し前に見かけたものだが、妙に頭に残っているので記事に沿って下から目線で書いてみたい。
anond.hatelabo.jp

とりあえずミッション、ビジョン、バリューを設定しちゃう

別にMVVが駄目という訳ではないと思っている。
人が増え、コミュニケーションがどうしても細部まで届きづらくなったときに指標や基準、規範となるものは必要になる。
ただ、それを経営層だけで決めたり、しかも10個も20個も定めるようでは、もう一度見直した方が良いのではと思う。
ましてや組織としての指標となるものなのだから、経営層がそれを秒で破るなどしてはいけない。
朝令暮改が起きまくり、ワンマン気質を持つ組織には向かない。
必要性が無いならやらない方がマシだ。
その辺をわからず無理にやると、また一つ経営層への信頼が崩れ、愚痴のネタになるだけだ。


「1年後に100人の組織にします!」とか言っちゃう

幸いにしてこの文句を聞いたことはないのだが、どうやら人を増やせばそれだけ戦力が倍増するとは思っているらしい。
毎日が戦時で、資金繰りに苦しむ経営をし続けた先にやっと芽が出て平和が訪れ浮かれてしまうのかもしれない。
しかし、それでむやみに人を増やすと結局は管理しきれず実質戦力減となったり、ミスマッチが起きて退職者が続出したりして、結局は金を無駄に使うことになる。
途端に資金繰りに苦しむ日々に戻る羽目になる。


経歴だけで判断をして採用してしまう

「この方は一体どのような素養があると見込まれて採用に至ったのでしょうか?」
「前職の経歴から、大きな組織を動かすノウハウを持っているからだ」
「それってその人がすごいのではなく、会社のシステムがすごいだけでは?」
「……、」
ちなみにその人は実務能力が皆無だった。採用した側はどうやらまだその腕とやらを見込まれているようなのだが。
ここでは述べられていたこと以外に言うことはない。これに尽きる。

実務能力があるか、組織にフィットするかの2つが全てなんだからこの2つを見抜くことだけに全力を注げ。

計画性なく未経験者を採用してしまう

前項目で挙げたのと同じく、似たような経験者ですらなく実務能力のある経験者でないと駄目だ。
ちなみにそうやって採用して、一日仕事せず、萎えるようなことを言って他人のモチベーションを下げ、女性社員にセクハラをするような人材に対し、年うん百万もの大金を給与として支払っている例を知っている。


先入観だけで採用要件を決めてしまう

できるマネージャが入った。
マネージャは「仕事を捌けるマネージャがもっと必要だ」と訴えた
ぞろぞろと使えないマネージャが入ってきた。
できるマネージャは辞め、職務について右も左もわからないマネージャだけが残った。
手足となる戦力よりも何故か頭を増やしたがるのは何故だろう。
そういうのに限って大企業から来るのでスタートアップ気質には合わず、合わなかったり辞めたりする。


組織運営がうまくいかないと「組織の壁」「成長痛」を言い訳にする

幸いにしてこういった言い訳を聞いたことはないものの、結局人材流出は止まらずそれを傍観しているような経営層はいる。
「彼には彼の人生があるし、ステップアップは喜ばしい」
そうじゃない。
友人ならありかもしれないが、経営者としては失格のコメントだ。
組織に絶対必要だという人はいる。そういう人を辞めさせてはいけないのだ。*1
これも本当に頷いてしまう。

シリーズB、Cあたりの会社で、優秀な人がどんどん抜けて、優秀じゃない人をどんどん補充して、人数は変わらないけど組織としての戦闘力は半分以下になってるみたいなケースはかなり多い。
そうなりたくないなら事業だけでなく組織とも向き合え。

まあダメな人には響かないから無駄だと思うが、以上だ。

こうした失敗に共通する要素がこの一文に詰まっている。
他人の意見を聞けという人ほど、それは自分の言うことを聞けという意味であって、他人の意見を聞くことはない。
自分が失敗することでしか学べない。
そして取り返しのつかない失敗をして、全てを失う。


追記

そんな会社を辞めることにした。
もう意味のわからない方針に合わせることも、理不尽な目に遭うことも、意味のわからない出張も、ない。
何の糧にもならない、ただ20代を無駄に費やしただけだった。
次が決まればそっと自分を慰めてあげたい。

*1:無理に引き止め退職させるなという訳ではなく、普段からケアしろということだ