いろいろ足りない

不足分を補いたい

組織の終焉

長年、自分が知りたいテーマだった。
組織の始まりがあれば終わりもある。
その終わりとはどのようにして終わるのか。
会社の末期には何が起きるのか。
自分の目で見ておきたかった。
その終わりのはじまりはどこから始まったのだろうか。

組織としてはうまく行っていた時期もあった。
到底潰れないだけの資金が準備され、優秀な技術者が雇われ、人が増えた。
比較的順調にプロダクトの開発も進んだ。
そしておかしなことも起きた。
長年開発し続けてきたプロダクトが、セールス部員の努力もあってようやく世間に認められ芽が出てきた正にそのときに事業転換がなされたり。
組織力に課題があったため組織編成に注力し、来月から始動する正にそのときに部のトップの交代が命じられたり。
挙げ句、何の専門性も持たない人がそのポジションに就いたり。
他にもおかしなことは多々挙げられるが、その結果に共通しているのは人が辞めるということだ。

終わりのはじまりとは、人が辞めるような要因を作り出すことだと自分は思う。
特に自分が見てきたのは、人の気持ちを無視した理不尽さに加えて、経済活動や利益追求の論理も満たさないまさに「おかしなこと」ばかりであった。
人が辞めること自体がさらに人が辞める要因にもなり、負の連鎖に繋がることもある。
教育コストをかけ、業務知識を持った人が次々に消えていく。
人を雇えばいいと経営者は考えるのだろうが、人が増えても組織の戦闘力が低下したまま。
必要とするキャッシュは増え、その状態でさらなる効率を求められる悪循環に陥る。
それはもう組織の終焉なのだと思う。

ここからは蛇足だ。*1
果たして今後その組織がどうなるのかは知らないが、さらなる崩壊に進む要素にならまだ興味はある。
これまでは全体的に若さがあった。その勢いで乗り切ってきた面がある。
時間は戻らない。
過去と同じバイタリティで難局を乗り切るのもいずれ限界が来る。
人は老いには勝てないのだから。
また、彼らは結婚した。子を授かった。彼らは家庭を守る必要がある。
一方は家庭を守るため、一方は雇用維持のために賃金を上げていく必要が出てくるが、そこにも限界がある。
そしてそのキャッシュのために新しく雇う人数を制限する。実際は0であろう。
組織の新陳代謝が行われなくなる。
変化なく、革新なく、組織としても老いる。それで望む成長ができるのか疑問である。

これらを避けるための唯一無二の方法は人材を大事にすること、ただそれだけ。*2

*1:そこから逃げ出し次に向かう自分自身のモチベーションでもある

*2:人数が多ければまた別なのかもしれないが、それは終わるまでのスピードが遅くなるだけだと思う