いろいろ足りない

不足分を補いたい

なつやすみのアレ

失敗の科学 失敗から学習する組織、学習できない組織

失敗の科学 失敗から学習する組織、学習できない組織

読んだ。

人の失敗への反応から失敗からの学び方まで詳しく書かれていて面白く読めた。
印象に残ったものとしては「クローズドループ」の考え方。
人が失敗を認めないとき、事実を捻じ曲げ正当化させそれによりさらなる失敗を招いてしまうといったように、閉じたところをぐるぐるループしてしまう。
クローズドループという訳だ。そしてその人はその成長の機会を失ってしまう。
……と、印象に残ったのはそういうことが身の回りで起きているからなのかもしれない。

現在、炎上に炎上を重ねているプロジェクトにおいても、明らかな失敗があったとは思う。
ここで非難を積み重ねていくようであれば、自分は今一度本書を読み直さねばならない。
何故そうなったのか、全て終わってからその検証くらいは行うべきだと思っているが、おそらくそういった検証が行われることはない。
検証できるだけの記録がない。仮に行われたとしてもデータではなく記憶に頼る検証になる。あてにならない。
失敗を繰り返すなと言われる。そもそもにおいてまず失敗を失敗と認めることがその前提にあるのであって、さらにその検証ができないことには……。

もちろん失敗というのは快いものでもない。
失敗に関する共通認識を持っていないと(場合によっては持っていたとしても)信用や信頼、そういったものを失いかねない。
あるいは非難を受ける。心理的なダメージを考えるとできれば避けたいと思う。しかし、そこに成長はない。
本書にもあるように、どうしてもできないものは合理的に諦めるのが良いとして、上手く失敗していきたい。
そんな欲を満たすためにも、まずは検証を経た失敗を積み重ねていくこと、失敗を失敗ときちんと認めることから始めたいと思う。